外壁建物診断
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外壁建物診断
建築物の外壁に要求される機能・性能は、建物の外部から作用する。
- 雨
- 風
- 冷・熱
- 音
「等を遮断し、快適な居住空間を確保することにあります。
「しかし、外壁を構成するコンクリートや鉄筋・鉄骨・塗膜等も、時間の経過とともに変質や
劣化を主治、放置し続けると、やがて当初の機能を維持できなくなる時がやってきます。
そこで、建築物の所有者としては、当初に要求された機能・性能に対し、
劣化が重度な状態 「に進行してしまう前に、建物全体の劣化状況を調査し、把握する事で、改修工事の時期・内
容を検討し、建物の耐用年数を効率よく伸ばす事を計画します。
つまり、劣化が進行する途 「中で、糧物の維持・保全のみならず、
資産価値向上を目的に、建物の改修工事を実施することが、費用・耐用年数の両面から、大変有効な手段となっています。
又、特に外壁の要求機能には、美観の維持も含まれる事から、
一般に建物の総寿命に比較す ると、外装材(塗膜やタイル等)の耐用年数は短く、
建物が寿命を全うするまでには、数回 の改修工事が必要となっているのが現状です。
そこで、建物診断の内容を正確に把握し、最も適切な改修工事の時期をいかに見出すかは非「常に重要な事であり、
そのために、正確な建物の劣化診断が必要となっています。
建築物は常に、風雨、太陽の紫外線、自動車から排出される排気ガス、地盤の変化・振動等 の影響を受けています。そして、経時的に次のような劣化減少が発生してきます。
駆体 | 素地(コンクリート)の収縮や地盤の変化・振動等によって生じるひび割 れの発生。 |
塗膜 | 外的環境や経年劣化などによる塗膜機能の低下。 |
鉄部 | サビの発生による強度の低下 |
タイル | 目地部のひび割れによる浮きや白華の発生。 |
▼劣化進行▼
○ひび割れが進行すると、バルコニーや廊下床面から階下へ水が漏れます |
:躯体能力の低下、居住性の低下 |
○壁や床のひび割れをそのままにしておくと、内部鉄筋が錆びて膨張し、鉄筋外側のコン クリートを押し出し、破片が落下します。 |
:居住者が危険、美観の低下 |
○塗替え時期が遅れると塗膜の光沢が低下し、更なる劣化の進行から塗膜の膨れ・剥れに至ります。 |
:美観の低下 |
○鉄部の錆を放置すると、素地の深部へと腐食が進み、更なる進行が素地の欠損に至ります。 |
:耐力が低下 |
○劣化箇所からの漏水によって、タイルの表面等が白く汚れたり、タイルの浮きの進行か ら剥落します。 |
:居住者が危険 |
劣化が進行していくと建物として重傷レベル(漏水・爆裂・欠損等)が見られるようになっ てきます。
従って建物を長期的に維持するためには、建物の構造や周辺環境等によって差が生じます が、一般改修工事実施サイクルは下記が標準となっています。
工事種目 | 改修工事実施サイクルの目安 |
内・外壁の下地補修、塗装工事 | 9年 ~ 12年 |
鉄部の素地調整、塗装工事 | 3年 ~ 5年 |
屋上等の防水工事 | 10年 ~ 15年 |
廊下・バルコニー床等の止水工事 | 10年 ~ 15年 |
各部シーリング材の補修工事 | 10年 ~ 15年 |
上記のようなサイクルに沿った、適切な時期に的確な改修工事を行う事により、建物を良好 な状態で維持していく必要があります。
安全性 | 劣化したコンクリートや表面調整材などを処置することで安全面を確保。 |
耐久性 | 劣化した下地や塗膜への耐久性を復元。 |
美観面 | 意匠性の向上。 |
資産価値 | より健全な建物にする事による価値の向上。 |